県アマ名人戦三番勝負

倉敷藤花三番勝負が行われた同じ日の22日(日)鳥取市の白兎会館で松田名人に三森君が挑戦する県アマ名人戦三番勝負が行われました。指導員は挑戦者と共に鳥取へ行ってきました。


この三番勝負の行方は松田名人の調子しだいだと思っていました。何しろ名人はここ1年仕事が忙しくてまったく将棋を指していないのですから。挑戦者にも勝つチャンスは十分にあるとみていましたが・・・。


注目の第一局は、先手の三森君▲7五歩から石田流3間飛車の作戦にでます。対する名人は得意の棒金戦法です。先手は飛車角をうまくさばき、薄い後手陣を攻め続けたのですが、名人の的確な受けに1歩及ばず惨敗します。150手を超える大熱戦でした。名人の指し手は1年間のブランクをまったく感じさせないもので、見ていて久しぶりに松田将棋を堪能できた一局でした。


続く第2局は先手の松田名人が3手目角交換から筋違い角を打ち、さらに飛車を振る作戦にでます。このあたりに名人の作戦の上手さを感じました。不慣れな居飛車を指すことになった三森君でしたが、それでも積極的に攻めていった展開は若さがあふれていて好感が持てました。しかし経験の差で名人に上手く反撃され劣勢になってしまいます。三森君、最後まであきらめずに一打逆転をねらったのですが、松田名人に手堅く受けられ最後はきれいに寄せられてしまいました。


結果は残念ながら挑戦者の2連敗に終わりました。松田名人の全盛期を思い出させる、すばらしい差し回しが光った三番勝負でした。しかし三森君にとって松田名人と真剣勝負を2局指せたことは貴重な経験になったことと思います。これからさらに研鑽を積んで来年再びチャレンジしてもらいたいものです。


※詳しい解説は12月の日本海新聞観戦記をご覧ください。