人情の話


 大相撲の5月場所は、久々に面白い内容であった。モンゴルは強い!根性と根性のせめぎ合い。中でも優勝した安馬、最後の2日間の相撲は神がかりであった。
 0―14から千秋楽に初勝利、会場の大歓声に感極まった豊真将。日々、誠実に土俵に打ち込んでいる力士だけに大歓声も納得である。
 そして、後半快進撃でこちらも神がかり(?)的強さを発揮して引退の危機を脱したのが、某大関。モンゴル力士の活躍の影で、三十路(みそじ)の日本人大関達の人情を垣間見た思いである。


 ところで、隠岐島の古典相撲(画像慶事があった時に行われる)は夜を徹して行われるが、取組は同一力士が2番連続して取り組みを行い、先に勝った方が次は必ず相手に勝ちを譲る。しこりを残さないように考えられたもので、人情相撲と呼ばれている。
 

 人情とは、響きのよい言葉である。
 将棋でも、その昔、米子の某三段が松江の強豪Y氏に挑んだが何番やっても歯が立たない。しかし、最後の一番を制したの某三段であった。後日、Y氏曰く、「最後は泣きが入ってね、負けが込むと辛いものがあるからね。」。
 時同じくして、某三段は米子のM五段に挑み、数年越しでとうとう初勝利。このビッグニュースはあっという間に広まり、そのことを知ったM五段曰く、「ワシが負けたのはあの一番だけだに、(某三段は)何で自分が負けたことは喋(しゃべ)らんだぁ。」(注・米子弁で読んで下さい)と大変悔しがるというか、半分怒っておられた。
 どちらも人情にあふれた話である。


 リンク先→隠岐古典相撲・しまね映像ライブラリー


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