お体を考えてもらいながら・・・

 今回の旅は、当初、京都の南禅寺を訪ねる予定であった。72年前の昭和12年2月、坂田三吉木村義雄八段の対局となった名舞台で、後手番の坂田が▲7六歩に対して初手△9四歩と指し話題となり、後に南禅寺の戦いと言われるようになった。時に坂田は66歳、木村が31歳であるから、坂田は全盛期を過ぎていた。
 行きの車中では、哲学の道から南禅寺に辿りつき、錦市場画像)に向かう行程を考えていたが・・・。



 京都に着き、俗世間の用事をしているうち、長岡京のビール工場に向かう話が持ち上がってきた。雨模様でもあるし、将棋の旅はあきらめ、数人でタクシーに乗り込むと、錦市場に向かいぶらぶら散策。
 それから、JR京都駅に戻り、東海道線で西へ4駅の長岡京に到着。そこから、シャトルバスでビール工場へ。約40分の工場見学(関西弁の4人組と我々3人の計7人)で、初めて見たのが生産ラインの稼動する所。缶にビールを詰めていく作業です。目に止まらぬとは、このことなのか。1分間に1500本のビールを缶に詰めるという。


 40分弱の見学を終えると、試飲会場へ。広い会場で、外には竹林の庭園が広がっている。案内の女性が「皆様のお体を考え、お一人3杯までさせていただきます。」グラスの中は黄金色のビールの上層部にくっきりと白い泡が・・・。7対3の割合が理想だとか。「お体を考え」てもらいながら飲むビールの味は格別であった。
 隣のテーブルの関西弁の4人(女性)は尻上りにテンションが上がってきて、「本場のチェコでビールを飲んだ。」とか、「長岡天満宮が○□×・・。」とか、「これから甲子園口の2億円の豪邸に行こう。」「えっ、私の家に来るの。」とか・・・。やはり、なにわのパワーに圧倒されてしまう。


 目的の工場見学を終えると、雨も上がっていたので、最後は長岡天満宮へ。人もまばらで、庭園(画像)も広々としている。梅や桃がちらほら咲きはじめている。コートもいらず、気温は3月並であろうか。京都市内の地図を思い浮かべると、やはり少し遠い所にやって来た。静かで落ち着いた風情のいい所である。
 今回は、ぶらり気ままの旅となった次第で、南禅寺はまたの機会にしたいと思う。


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