01支部対抗戦・東京物語(後)

東京物語

 実はこの日、応援と称して同行した遠藤良和氏はじめ五人は、早朝靖国神社湯島天神に必勝祈願の参拝をし、大会会場に駆けつけた。が、応援というのも無責任なもので、いつしか話題は「恵比寿ガーデンプレイスから見た夜景は良かった」とか「秋葉原のパソコンは安い」とか、将棋と関係ない話で盛り上がっている。


 さて、午後一時。いよいよ予選リーグ三戦の対沼津支部静岡県)。
 選手三人は重い足を引きずり、対局場に着席。重苦しい雰囲気の中で、真っ先に勝ち名乗りを上げたのが、難解な中盤を制した安田さんであった。初めての全国大会、不安な気持ちで迎えたこの日、見事な勝利で予選最終局を飾った。続いて二人も快勝、何と予選突破となった。


 全国68支部の中から予選リーグを突破し、ベスト16に残った鳥取県西部支部。将棋の勢いを見る限り、ひょっとしたらの期待も出てくる。次の相手、埼玉県川越支部との対戦は鳥取やや優位と思われたが、結果は一勝二敗であった。
 長旅(深夜高速道路をワゴン車八人乗りでの移動)と体調の崩れで、とても戦える状態ではなかった選手三人。本当にお疲れさまでした。リンク先→将棋連盟HP・支部対抗戦第30回記念大会


 このあと米子の八人はオノボリさんよろしく、東京タワーに向かった。大都会の夜景。高層ビルやレインボーブリツジ、華やかな灯りの点滅を見ながら、だれもが「米子はどっちの方向?」と小声を漏らしていた。
 帰路は再び同じ道を戻っていく。選手三人の活躍で、西部支部の絆(きずな)が一層深まった全国大会、そして長旅であった。
 写真は映画「東京物語」(小津安二郎監督)のポスター。