指導対局始まる

 岩根プロはスピーチが終わると、歓迎の特大のポスターを背に指導対局(二面指し)に入る。飛香落で挑戦する中学生三森和明君(初段、福米中1年)は、西部支部道場に通い始めて4年、生え抜きの逸材である。大阪や鳥取市の将棋大会に参加するなど、ご両親の理解もあって力をつけている。研究熱心で四段クラスと五分に渡り合うところまで来ているが、大会では大切な所で苦杯を喫し、じっと悔しさを堪えている姿を見ているだけに、必ず勝ってほしい、勝たなければならない対局。今日は相当に気合が入っており、頭の中は「完勝」の二文字しかない様子である。


 もう一人は四枚落の小学生渡部誠君(5級、住吉小6年)は、市内住吉公民館の将棋教室で強くなった。普段は自作の詰将棋を披露したりする明るい子。思い切りのよい将棋であるが、中終盤になるとそれが裏目に出てやや淡白になる。この2ケ月、上手と何十番駒落を指したか分からない。優勢になってから、「読む」ことに集中できれば勝機はあると話してきた。思いがけず、序盤はかなりの優勢となったが……。


 会場の大きなガラス戸に目をやると、センター外の遊び場で歓声を上げ跳ね回る子供たちの姿が見える。しかし、三森君も渡部君も今は将棋を始めてから最大の緊張感の中にあるようだ。(続く)



写真は、対局終了後、岩根プロと三森君の感想戦


カラスの勝手 
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