女流プロが我が町へ

 平成17年秋、曇天の午後2時。会場の壁いっぱいに貼られたポスターは、「岩根忍の将棋って楽しい」の特大文字。「私は小学校から将棋を始めて、一年間10級のままでした。強くなったのは、詰将棋を教えてもらい、毎日解くことに夢中になってからです……」。笑顔やさしい岩根忍女流初段のスピーチ。静かに聞き入る約三十名の子供たち、見守る保護者、鳥取県西部支部のスタッフ……。「将棋世界」の企画取材が、ここ鳥取県米子市で始まった瞬間だった。