第3譜 歳月
平成8年4月14日
大阪通天閣将棋センター


平井正人(米子市、45歳)
大田学 (大阪市、81歳)


「昭和三十四年頃、大田さんが鳥取へ来ることになった。ところが、だれも向かうものがいない。宮崎君どうだね、と言われ“よおっし”と心に決めて指した。」と、当時を振り返る宮崎秀雄五段。「その時、私は県代表になったばかり。大田さんはプロ四段に香落ちで勝つ人だから、力はプロ六段ぐらいだったと思うよ。えっ、手合い?うん、角落ちだ。夜を徹して指した。結果はね、忘れもせん。3勝4敗1持将棋。」
 その宮崎さんは、十年後、当時大学生だった平井正人氏(45歳、現西部支部幹事長)と夜を徹して指す。延々5時間に及ぶ将棋もあったと、平井さんは振り返る。
 平井さんの活躍は三十代に山陰名人一期、鳥取県王将三期、県代表六回等々で現在も鳥取県西部地区の第1人者である。
 大田さんが語りかける。「平井さんは酒屋ですか。えっ、小売の方ね。ボクの兄弟も九州で酒屋をしていましてね、ハハハ。近々鳥取へ帰るから、その時、西部支部に寄ります。皆生の木村酒店に電話すればいいんですね。」


(B図から)△74歩▲25飛△24金▲45飛△86歩▲65桂△87歩成▲22角成△同飛▲73桂不成△同桂▲43飛成△52金▲46竜(C図)指手通算51手