神戸へ

 四月中旬、西部支部平井正人幹事長はじめ8名で、故松平先生宅を訪ねることにした。同じ神戸在住の高橋冨美子さんに、兵庫駅から徒歩で案内して頂いたが、途中所々空地があるのは震災で崩壊した家屋の跡地という。
 松平先生宅に着き、仏前に線香を上げると、奥様は震災の時の様子を話して下さった。自宅付近まで火の手が来ていたことや、天皇・皇后両陛下が震災後の菅原通りを巡幸された写真は松平先生が撮影されたものであることや・・・。
「約二ケ月は近くの小学校で生活していました。共同生活でトイレ、水と不便な暮らしでした。ある晩静かな所を求めて散歩に出ると、大きな体育館がありましてね、ふと扉を開けてみると、月明かりのさす床に犠牲になった方たちの遺体が並べられていました。」
松平先生から伺った震災直後の様子である。(平成九年一月)