震災十年

 阪神大震災の平成七年は、西部支部にとっても忘れられない年である。
 震災の半年後の七月十七日、阪神復興支援よなご将棋まつりを開催することになった。神戸から23名を招待し、前日には皆生温泉に宿泊して頂いた。実現にあたって、神戸元町将棋センターの松平信一五段に取りまとめを依頼したのが出会いの始まりだった。
 松平先生は「米子が好きで」と言いながら、その後も高木杯(海の幸将棋大会)と米子将棋まつりには、前ぶれもなく参加された。今年1月の高木杯にはその姿は見えず、北大阪支部の竹村さんから、「年末にお会いした時は米子に行くのを楽しみにしておられた」と教えて頂いた。体調が思わしくないのではと心配していたが、震災から十年の月日が流れた今年二月二十五日、神戸の松平信一五段は不帰の人となられた。