山陰名人戦閑話


 今回の山陰名人戦で、一際目を惹いたのが、川本哲也君(松江市・開星高2)。準決勝で優勝候補の藤井真司氏(松江市)を圧倒、決勝に進出、3年連続高校生の山陰名人誕生への期待が高まったが、あと一つ及ばなかった。
 会場では、観戦者の誰もが、川本君の強さを褒めたたえていた。対局態度も堂々としており、言葉使いもよく、大人との会話もハキハキしてとても感じがいい。小さい頃から知っているが、成長の早さに驚くばかりである。


 そう言えば、この日の朝、会場の設営を率先して手伝ってくれた。あれは、6年前の夏、倉敷のこども王将戦に米子の小学生の応援にと同行した時だった。多分、スイス式で2試合が終わった頃だと思う。会場外の炎天下の広場で、大泣きしている少年がいた。傍らでお父さんが少年の肩に手をやっていた。
 少年の6年間のたゆまぬ努力に敬意を表したい。


 画像は、決勝で山内博文さん(大田市)と対戦する川本哲也君。