S級決勝戦
今年の米子将棋祭りS級決勝戦は関西若手強豪の対戦となりました。決勝戦を振り返ってみたいと思います。
先手の山口さんは関西大学2回生、後手の栗生さんは近畿大学2回生、ともに全国大会でも活躍している学生強豪です。山口さんは中学生の頃から何度か米子の大会に参加してもらっているので記憶にあります。塩津さん、桜井さんを破っての決勝進出です。一方の栗生さん米子は初めてのようです。雰囲気が昨年優勝の狩野さんに似ていますが、その狩野さんと島根の山内さんを破っての決勝進出です。
図は山口さんが▲8八玉と入城して駒組みが完成した所です。後手栗生さんの構えはあまり見かけない形ですが、玉を固めて飛車、角、桂で攻める狙いで実戦的な指し方だと思います。ここから後手△7五歩と仕掛けましたがどうだったのでしょうか?先手も玉が堅いので逆襲のチャンスです。▲7四歩と切り返しましたが、後手は桂取りにかまわず△8六歩と突いて決戦になりました。後手の狙いは十字飛車から2五への転換です。
図は▲7三歩成と桂を取った手に△同銀と指したところです。
後手、狙い通りに飛車を成れましたが、形勢はほぼ角得となっている先手が少し良さそうです。ここで▲7九歩と堅く守ったのが山口さんらしい一手でした。栗生さんも△4二金上と玉を固めて△8六歩と先手の玉頭を攻めます。ここからの手順は見ごたえがありました。
図は△9五銀と打ったところです。
一瞬ハッとする手で先手玉もかなり危うくなってきました。(▲同玉には△1八竜で逆転)しかし▲8七玉と冷静にかわしてきわどく先手玉は残していたようです。後手玉は▲3二銀と打たれて必死です。最後△8七歩成に▲6七玉とかわして先手玉に詰みはなく山口さんの勝ちが決まりました。
開始日時:2009年7月19日(日)15時30分
先手:山口直哉
後手:栗生直樹
棋戦:第27回米子将棋祭りS級決勝戦
戦型:後手一手損角換わり、先手早繰り銀
手合割:平手
30分切負け
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △3二金
▲7八金 △8八角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲3八銀 △4二玉
▲6八玉 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀 ▲3七銀 △7四歩
▲4六銀 △3一玉 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 銀 △6四角
▲1八飛 △3四歩 ▲4六銀 △8五歩 ▲7七銀 △7三桂
▲6六歩 △5四歩 ▲7九玉 △2二玉 ▲5八金 △8四飛
▲6七金右 △5一金 ▲8八玉 △7五歩 ▲同 歩 △同 角
▲7四歩 △8六歩 ▲同 銀 △同 角 ▲同 歩 △8五歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △2五飛 ▲3七桂 △2九飛成
▲7三歩成 △同 銀 ▲7九歩 △4二金上 ▲8三角 △8六歩
▲同 歩 △8五歩 ▲同 歩 △6四銀 ▲7七金寄 △7五銀
▲8七桂 △6六銀 ▲同 金 △8六歩 ▲5六角成 △8七歩成
▲同 玉 △4四銀 ▲7三角 △5三金 ▲2四歩 △同 歩
▲2三歩 △同 金 ▲5一角成 △8六歩 ▲同 玉 △6四金
▲4一馬 △7四桂 ▲9六玉 △9五銀 ▲8七玉 △8六歩
▲7七玉 △6六桂 ▲3二銀 △7八桂成 ▲同 馬 △8七歩成
▲6七玉
まで、97手で先手勝ち