朝日アマ名人戦山陰ブロック大会を振り返ってその2
原田君は前年覇者の阿部君に勝って決勝進出です。準決勝のもう一局は本池君と吉岡さんの対戦でした。今大会の吉岡さんは好調で、本池君苦戦するのではと見ていましたが・・・相穴熊の戦いから、本池君一方的に攻められましたが受け切りました。持ち前の粘り強さを発揮して初の決勝進出です。
決勝戦は鳥取県の高校生同士によるフレッシュ対決となりました。順当なら原田君の勝ちでしょうが、優勝候補ばかりと当たった原田君かなり疲れが残っていそうです。本池君にも勝つチャンスは十分あると見ていました。
決勝戦の戦型はお互いの得意形である右四間対雁木の戦いとなりました。先手の原田君ここから▲4五歩と早くも仕掛けます。
▲7一角から▲4五飛が原田君のねらいの一手で、次に▲8五飛とまわる手や▲5三角成と切る手などがあり攻めが続くと見ています。後手も受け間違えると一気に潰れてしまいそうです。本池君苦しそうに長考に入ります。
本池君の指した手は△7四角でした。打ちにくい角ですがじっと辛抱します。このまま局面が落ち着いてはまずい先手は▲4四歩と打って攻撃します。以下ノータイムで△4六飛まで一気に進みました。気迫と気迫のぶつかりあいです。
△4九飛成と王手で飛車を成れては後手が少し得をしたようです。原田君どこかで誤算があったのかもしれません。しかし▲6一金から筋良くせまり▲5三銀と打った局面は後手玉も大変そうです。ここで再び長考した本池君が指した△5六角が決め手となりました。先手▲2四馬と馬を攻防にきかせてから▲5六歩と角を取りましたが、△7八銀成以下見事先手玉を即詰に討ち取ります。短手数ながら若者同士の一戦らしい好局でした。
本池君うれしい初優勝ですが、本人もまだ信じられない様子でした。大会前調子が悪く優勝できるとは夢にも思っていなかったでしょう。しかしここ一番での粘りと集中力はさすがでした。全国大会出場は本池君にとって良い経験になると思います。全国の強豪達の将棋をしっかり見てきてください。また本池君に先を越されたライバルたちの奮起も期待したいものです。
開始日時:2008/12/14(日)16時
終了日時:2008/12/14(日)17時
先手:原田智也
後手:本池達也
棋戦:朝日アマ山陰大会決勝戦
戦型:右四間対雁木
手合割:平手
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二銀
▲3六歩 △5四歩 ▲4六歩 △3二金 ▲4七銀 △6二銀
▲5六銀 △5三銀右 ▲4八飛 △8四歩 ▲3七桂 △8五歩
▲7七角 △5二金 ▲7八金 △4三銀 ▲6九玉 △4一玉
▲4五歩 △同 歩 ▲2二角成 △同 金 ▲7一角 △9二飛
▲4五飛 △7四角 ▲4四歩 △同銀直 ▲同 飛 △同 銀
▲同角成 △4六飛 ▲2二馬 △4九飛成 ▲6八玉 △6九金
▲7七玉 △7九金 ▲6一金 △5一金 ▲2三馬 △5二玉
▲5一金 △同 玉 ▲6八金打 △7八金 ▲同 金 △6九銀
▲5三銀 △5六角 ▲2四馬 △6一玉 ▲5六歩 △7八銀成
▲同 玉 △5八竜 ▲6八金 △6九銀 ▲7七玉 △7八金
まで、66手で後手勝ち