西部名人戦挑戦者決定大会の決勝譜
昨日の西部名人戦挑戦者決定戦を振り返って見たいと思います。決勝戦は石原君と本池君のフレッシュ対決となりました。どちらが勝っても初の挑戦者です。石原君はものすごく強いときとそうでもない時があり、昨日はまさに強いときの石原君でした。特に準決勝、指導員が惨敗した法本さんに圧勝したのには驚きました。一方の本池君、あいかわらず序盤はヨレヨレでしたが中・終盤の強さで決勝まで勝ち上がってきました。準決勝で岡田さんに逆転勝ちしたのが大きかったと思います。決勝戦、勢いからいって石原有利の声が強かったのですが・・・。
序盤の趣向が実らず作戦負けとなった本池君、無理気味ですが▲4五銀と先攻します。このあたりが本池君の勝負強さです。
銀交換から▲7五歩が苦心の一手でした。石原君も△3七角と打ち込み、△6五桂と跳ね馬を作って強気に応戦します。若さあふれる戦いです。本池君がねらいの一手▲6五銀を指すと石原君も△3六馬の好手で応戦します。△5八馬と急所の金を取って後手勝ちのように見えましたが・・・。
本池くんも3筋を強引に攻め、一転▲7四馬と好手で応戦します。このあたり、お互い時間も切迫し息詰まる熱戦が続きます。
石原君の△7七歩から△6三歩がよくなかったようです。ここは△8六歩と打つべきでした。▲同歩の一手に△8七歩の垂れ歩が厳しく、後手が勝っていたと思います。命拾いをした本池君、△7六歩に▲8一銀と飛車を取り形勢逆転です。▲5五馬と攻防に引いた手が決め手となりました。石原君の最後の猛攻をかわしうれしい勝利です。
西部名人戦3番勝負は高校1年生同士の超フレッシュ対決となりました。実力伯仲の両者。好勝負が期待されます。
※写真は決勝戦。石原拓道四段対本池達也弐段。
後方に三森和明西部名人、記録を取るのは興津信之四段。
開始日時:2008/10/19(日) 15:30:00
先手:本池 達也
後手:石原 拓道
棋戦:西部名人戦挑戦者決定戦
戦型:角換り腰掛銀
手合割:平手
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲7八金 △3二金
▲4八銀 △8五歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲8八銀 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲6八玉 △8二飛 ▲8七歩 △9四歩
▲4六歩 △6二銀 ▲5八金 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲3六歩 △3三銀 ▲5六銀 △5四銀 ▲7七銀 △4二玉
▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △7四歩 ▲7九玉 △7三桂
▲2五歩 △5二金 ▲3七桂 △3一玉 ▲4五銀 △同 銀
▲同 桂 △4四銀 ▲7五歩 △3七角 ▲2九飛 △6五桂
▲6六銀 △4六角成 ▲7三角 △8一飛 ▲6五銀 △3六馬
▲6四角成 △5八馬 ▲3三歩 △同 桂 ▲同桂成 △同 銀
▲4五桂 △4二銀 ▲7四馬 △7七歩 ▲同 桂 △6三歩
▲3三歩 △同 銀 ▲同桂成 △同 金 ▲4五桂 △4四銀
▲3三桂成 △同 銀 ▲7二銀 △6二桂 ▲7三馬 △7六歩
▲8一銀不成△7七歩成 ▲同 金 △8五桂 ▲5五馬 △7七桂成
▲同 馬 △8五桂 ▲3三馬 △7八歩 ▲8九玉 △8八歩
▲同 玉 △7七金 ▲同 馬 △同桂成 ▲同 玉 △6八角
▲7六玉 △8四桂 ▲8五玉 △6七馬 ▲8四玉
まで、101手で先手勝ち