山陰名人戦名勝負4

karasunogyozui2008-03-29

今日明日昨日
 まず、画像は昨日の米子市湊山公園の桜。あと数日で見頃でしょう。


 棋王戦は佐藤棋王が防衛。リンク先→棋王戦中継サイト


 今日は第33回小学館杯小学生将棋名人戦鳥取県予選が鳥取市富安のさざんか会館で行われます。西部支部から田口智博君、田中孝康君、田中道顕君が参加します。リンク先→師範代の日記


 大阪では、Kirin Beverage Cup第11回学生将棋選手権が開催されます。鳥取松本憲太郎君、原田君、島根大学が参加します。 リンク先→、Kirin Beverage Cup


 明日は、10時から西部支部道場で山陰名人戦鳥取県西部地区予選を開催します。
ちなみに昨年の代表3名は、山根一郎、岡田順治、三木徹の各氏。


 あっ、それから、昨日はブログ開設した日でした。(忘れていました。)早いもので、1年と1日経ちました。



第16期山陰名人戦決勝譜
平成元年(89年)4月9日
米子市皆生温泉 弓ヶ浜荘 


▲藤井真司 (松江市、28歳)
平井正人 (米子市、38歳)


最終譜:3期目の名人位
 山陰名人戦決勝もいよいよ大詰め。白熱の盤上争いに、見ている側も手のひらが汗ばんでくる。相変わらず時間切迫の藤井は、▲2二歩から▲3一銀。残り時間は一分を切っている。  
 相手の残り時間が一分を切れば、受け回って時間切れに追い込めばいいのだが、藤井に対してはこれができない。藤井と対戦した人は分かると思うが、残り一分となってからはどうしたわけか、藤井側の対局時計の針は、前に進まなくなってしまうのだ。不思議な魔力を持った人である。
 狙いすました▲4四角に平井が三分消費したので、一時逆転していた両者の時間が、ぴったりと並んでしまった。こうなると藤井のペース。急所に手が進み、▲3三角成が決め手となった。▲2二銀成以下は鮮やかな即詰みである。
 肩で息をしながら喜びを隠さない藤井。三期目の山陰名人獲得で、また一段とスケールが大きくなっていくことだろう。おめでとう。
 孤軍奮闘、今大会を盛り上げてくれた平井さんには、心から拍手を送りたい。来期もまた雄姿を見せてもらいたいものである。



(第6図)▲2二歩△同金▲3一銀△3三銀▲4四角△2三金打▲2四香△同金▲3三角成△同金右▲2二銀成△同王▲3一銀△2三王▲2二金△1四王▲2六桂まで藤井の勝ち(最終図:通算指手129手)




追記
 道場では後手の勝ち筋を研究したが、とうとう分からずじまい。観戦記第6譜で柳浦氏(松江市)が「小差勝負の形勢判断は、藤井の最も得意とするところである。」と書いているが、全くその通りで、何度並べても藤井氏が1手リードしている。
 一方、平井さんは今日の末尾の文章の通り、翌90年山陰名人となった。



優勝の藤井氏。89年(平成元年」の山陰中央新報から。