新井4丁目

 沼袋駅から開かずの踏み切りを渡り、左方向へ行く。


 少し歩くと川があって、(川の名を忘れていたので)近くにいた年配の男性に川の名を聞くが、首を振る。
 それから、子犬を連れた貴婦人がいたので聞くと、親切に教えてくれた。妙正寺川である。
 しばらくすると、さきほどの年配の男性が追いかけてきて、親切に教えてくれる。(誰かに聞いたのだろう。)
年配「神田川と同じで氾濫するときがあるらしいよ。」
カラス「えっ、この川が氾濫?」
年配「んだ、んだ。」
 聞きなれない相槌に一瞬耳を疑ったが、東京の言葉も変わったのだと感慨深くした。


 妙正寺川の新栄橋の近く、加藤長屋(家賃三千円)は駐車場に変わっている。ご主人の加藤さん夫婦はとてもいい方で、長屋の学生にまぎれてカラスもご自宅でご馳走して頂いた。


 この一帯は新井4丁目。カラスのねぐらはこの建物の二階だった。やはり、建て変わっている。一階のスナックが居酒屋に変わっている。「てら」の名前は同じ、マスターは富山の人だったが・・・。
 向かいの酒屋(二階は雀荘)・銭湯も、様変わり、近くにあった店も見当たらない。