第3譜:棋風

05年(平成17年)3月19日
米子市皆生温泉 西部支部道場*1


▲三森和明(米子市、12歳)
斎藤健一(大山町、23歳)



(C図から)▲5九桂△8九飛成▲6四歩△7二歩▲8二龍△6四銀▲9一龍△1五歩▲6八香△4四馬(D図)


 西部支部道場においては、斎藤さんは「級密(ちみつ)流の佐藤康光棋聖に似た深い読み」が特徴、三森君は「筋のよい終盤の強い将棋」と評価されている。
 後手の斎藤さんの二手目△8九飛成は長考の後の着手。ここで、△1五歩を考えたが読みきれなかったという。以下、▲7八龍△4九飛成▲同銀△3九銀となるが、寄せきれるか微妙なところ。▲8九飛成には、厳しい攻めを含みにし、桂を補充して次に△1五歩とする狙いがあった。
 先手三森君は、三手目▲6四歩と急所の攻め。後手△7二歩の受けに▲8二竜ほ迷ったところ。▲6三歩成△7三歩▲5二と△同金の二枚換えで勝負だった。
 局後の感想戦で斎藤さんがこの順を指摘すると、三森君は黙ってうなずいていた。多くを語らない三森君であるが、対局中この順を考えていたのではないか。
 大事に指すか、勝負に出るか、気持ちの選択が▲8二龍とさせた。
 この一手で将棋の流れは変わり、八手目に後手は待望の△1五歩からの端攻めの順がまわった。
 先手九手目▲6八香は3九への馬の効きを消す意味でやむを得ないが、△4四馬が好手順で、先手劣勢は否めない。

*1:00年8月〜05年4月は皆生に道場があった。