はじめ負けるは師匠の夜

karasunogyozui2007-11-03


  写真はミズヒキソウ。


 秋の夜長は、将棋。昨日も道場で遅くまで軽口言いながら指していた。
 後藤喜三郎さん(故人・米子市岩倉町)の若い頃(昭和の前半)は、将棋は唯一の楽しみ、色々な言い草・ジョークを飛ばし、相手を茶化したり怒らせたりしながら、にぎやかに指したという。その風景は今も変わらぬが、違うのはウィットとユーモアのセンスか。
 以下は、当時の一例です。思いつくままに注釈を書いたのですが、当たっているかどうか分かりません。


こうこうする猫の鼻柱 
※指先で駒をつつきながら着手に迷うさまか


歩々(夫婦)相和す 
※序盤で歩が隣同士仲良く並んでいるさまか


いくことならぬ 奥御殿 
※怖くて相手の堅陣を攻めることができない


取るに取られぬ 魚屋の猫 
※相手の駒の逃げ足の、何と速いことか


早くゆかねば 年増が怒る 
※そうですね


八十八の 三回忌 
※???


はじめ負けるは師匠の夜 
※指導者の心構えにも通じます


来たと言っても お客じゃないよ 
※敵だったんですね


なんにもないのが 在郷の祭 
※手駒がほとんどなく、田舎の祭りの出し物の少なさにかけたのか


金桂香(鳥)は唐の鳥  
※大切な(渡来品のような)持駒のこと?


こゝに手洗ふ 手水鉢(ちょうずばち) 
※優勢になると、知らずと両手をすり合わせてしまう(用をたした後の手洗い時の気分)


やって北野の 天満宮 
※やって来たのの・・・、ようやく勝勢となった気持ちか


王手嬉しや 別れのつらさ 
※王手(逢うて)の嬉しさも一瞬、後の攻めがない


エー手元年 猫の年 
※いい手を指されて驚いた。この場合、ニャーではなく、ギャー。