97年からの3年間の県高校棋界は斉藤健一君(名和町)の登場で米子東高時代となった。
 98年は倉吉市で行われた高文祭(全国高校将棋選手権大会)の団体戦鳥取県代表の米子東高チームの大将として参加、将棋部門の開会式では全国の高校生や来賓の方々の前で生徒代表のあいさつの大役をまかされた。


 以下は当時の目撃者情報をまとめたものである。
 

 大会当日の朝、米子駅から大勢の高校生(応援も含む)が汽車に乗り込み、倉吉に向かったときの出来事である。
 車両の中で斉藤君は、あいさつの練習をするので聞いてほしいと同行の高校生に告げると、かばんの中から原稿を取り出した。座った状態で練習を始めるものと考えていた同行の高校生たちは、一瞬目を見張った。斉藤君は立ち上がり、通路まで歩みを進めると、直立不動であいさつを始めたのである。何事かと驚く他の乗客も、大声のあいさつに聞き入っている。やがて、車両の中に拍手の渦が巻き起こったという。
 斉藤君が、開会式のあいさつを見事にこなしたのは言うまでない。