どこの道場でも人気者はいる。
 西部支部道場が和田に移転した2年前、近くに住む小学生が道場に通い始めた。5年生の米沢保君で、強い相手でも向かっていき、負けても最後は「ありがとうございました」と自然な言葉で出てくる。何より性格が素直で皆から可愛がられて、米沢君がいない日は誰かが必ず「米沢はどうした」と口走る。
 6年生の時、文科大臣杯*1で代表となった。その直後、道場で勝てない日が続いた。全国大会までの2ケ月間は米沢君が急速に伸びた時期でもあった。東京の予選リーグでは3勝と大いに健闘し、夏休みのいい思い出を作ることができた。
 さて、中学生となった今年、文科大臣杯が学校単位(1校3名)となった。米子市内では、M中学の米沢君はF中学*2の塩見君がライバルである。5月の連休前後から二人の稽古将棋が続くが、米沢君の顔色が冴えない。何週か過ぎた頃、米沢君は突然「あっそうか。ボクはF中学に転校しよう!うん、いい方法だ。」と話し始めた。なるほど!誰もが目がテンになった瞬間だった。

 明日の大会、米沢君はもちろんM中学チームで参加します。

*1:文部科学大臣杯第2回小・中学校将棋団体戦鳥取県予選

*2:全国中学選抜県代表の三森君が在学