挑戦者決定戦
日曜日におこなわれた西部名人戦挑戦者決定戦は、既報のとおり三森和明君が山根一郎さんに勝って本池名人への挑戦権を獲得しました。西部名人位の奪回を目指していた三森君にとってはうれしい勝利だったと思います。
挑戦者決勝戦を振り返ってみます。
三森君の先手で始まったこの一局、いきなり▲5六歩とごきげん中飛車を明示すると山根さんも中飛車で応じ相振り飛車の戦いとなりました。図の△6五角は山根さんが放った好手です。しばらく考えていた三森君ここから▲8五銀と指し以下攻め続けることになります。
ここまですばらしい攻防を続けてきた両者ですが、山根さんの△8六飛に三森君の▲8八桂が絶好の一手でした。飛車の捕獲に成功した先手の攻めは切れなくなりました。
図の△6四香が山根さんが悔やんだ一手です。手順に▲6五桂と跳ねられ後手防戦困難になってしまいました。以下は三森君の鮮やかな寄せを見るばかりでした。
敗れはしましたが、山根さんのすばらしい差し回しは年齢を感じさせないものがありました。
勝った三森君、苦しい将棋が多く調子はいまいちでしたが執念で挑戦権を獲得しました。
今年の3番勝負も昨年に以上の熱戦が期待できそうです。
今大会ではベテラン勢の活躍が目立ちました。特に準決勝で対戦した山根さんと勝部さんはさすがの強さでした。
開始日時:2009/10/18(日)
先手:三森 和明
後手:山根 一郎
棋戦:西部名人戦挑戦者決定戦
戦型:相中飛車
手合割:平手
▲5六歩 △3四歩 ▲5八飛 △5四歩 ▲7六歩 △5二飛
▲4八玉 △1四歩 ▲3八玉 △9四歩 ▲9六歩 △6二玉
▲2八玉 △7二玉 ▲5九金左 △8二玉 ▲3八金 △1五歩
▲4八金上 △7二銀 ▲1八香 △8八角成 ▲同 銀 △3二銀
▲1九玉 △3三銀 ▲2八銀 △4四銀 ▲7七角 △4二金
▲9七銀 △3三桂 ▲8六銀 △6五角 ▲8五銀 △9三桂
▲9四銀 △7六角 ▲9三銀成 △同 香 ▲9五歩 △8七角成
▲9四歩 △同 香 ▲同 香 △9三歩 ▲同香成 △同 玉
▲9九香 △9六歩 ▲8八飛 △同 馬 ▲同 角 △8四歩
▲9六香 △9四歩 ▲7六角 △8三銀 ▲6六角 △8六飛
▲8八桂 △8二玉 ▲8七歩 △8五飛 ▲同 角 △同 歩
▲2一飛 △5一飛 ▲2二飛成 △5二金上 ▲7七桂 △9七角
▲8六歩 △8八角成 ▲8五歩 △6四香 ▲6五桂 △8七馬
▲8四歩 △7四銀 ▲4四角 △同 歩 ▲6二銀 △6五馬
▲5一銀成 △9三玉 ▲8一飛 △8二桂 ▲5二成銀
まで、89手で先手勝ち