専攻科

karasunogyozui2008-10-23

 昨日たまたまJR境線に乗り合わせた。始発の米子駅を出て、次が博労町駅画像*1。何人かの高校生が乗ってきて、一人の子がニコニコしながら私の前に座った。学生服の詰め襟のところにSのマークが入っている。


「センターまで、あと3ヶ月だね」
「はい、道場(将棋)に行っていた中で、ボクだけですよ。」
 Sのマークは米子東高の「専攻科」の頭文字。(Zが全日制の頭文字)
 この専攻科と言うのは、県立高校が大学受験に失敗した人たちのために予備校的役割をしており、保護者の経済的負担を軽くしている。昔は学校の敷地の隅に古い木造の建物があり、2クラスで約120人の学生がいた。
 つまり、Sのマークの学生、KWクンは大学受験の浪人生なのである。


「のびた君*2はどうしたっけ。」
「筑波です。」
「何してるのだろう」
「生物です。」
「ふ〜ん。ああ、ちゅらさん*3は・・・」
「青学です。」
「ずいぶん洒落(しゃれ)た所へ・・・」
「ですよね。」
「キミは小学生の時、一番強かったし、続けていればよかったのにね。」
「中学に入ってクラブが忙しかったから・・・」
「それで、キミはどっちに行く。」
「文系で、東京の私大(法学部)を受験します。」
「あっ、そうなんだ。理系だったのに方針変えた?」
「ボクは、公務員を目指しているんです。」
 公務員と言うところに妙に力がこもっている。多分、家族や友人と将来を語りあう中で、もっとも堅実な職業として映っているのだろう。
 かつて商人の町と言われた米子であるが、市内に空きビル、空き地が目立っている。大学を出ても地元に就職先がない。また、仕事のない人もいる。


「そうか、法学部か。弁護士とかじゃないんだね。」
「公務員志望だたら、政治学科でもいいんです。」
「うん、いいね。」
 2駅ほど過ぎ、私が先に下りたので、5分程度の会話であった。
 KW君が受験に成功し、そして都会の地で公務員生活を颯爽(さっそう)として送ることを願っている。


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*1:リンク先・山陰中央新報記事

*2:足立宣明

*3:安田慎吾