第1譜・期待の新人

05年(平成17年)3月19日
米子市皆生温泉 西部支部道場*1写真
▲三森和明(米子市、12歳)
斎藤健一(大山町、23歳)


 本局は、春の待ち遠しい三月中旬、米子市の西部支部道場で行われた。
 先手の三森和明君(米子市、福米東小6年)は、西部地区期待の新人。西部支部道場では、四段クラスを相手に、一歩も引かない強さ。真剣に将棋に打ち込み、日を追うことに強くなっている。
 後手は斎藤健一さん(西伯郡大山町、会社員、二十三歳)。米子東高の時、将棋(全国高校新入戦四位)・ラグビー(県代表として花園出場)・勉学と鼎立(ていりつ)させた。慶応大学進学後も、将棋部主将として活躍、昨春卒業後、帰省した期待の星である。
 年齢差が十歳の二人の練習対局は、いつも正座を崩さない。対局が終わると、長い感想戦が続く。斎藤さんの力のこもった説明を、三森君がじっと聞き入る。
 十年前、少年だった斎藤さんが、西部支部の平井、山住両四段と対局していた姿が、昨日のことのように思い出される。 
 初めての正式対局となった本局。深々と一礼すると、先手の三森君は緊張の表情で、▲7六歩から四間飛車とした。持時間三十分の対局は、時計とともに静かに進行していく。


▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲6八飛△6二銀▲1六歩△1四歩▲4八玉△4二玉▲3八銀△3二玉▲3九玉△5四歩▲7八銀△8五歩▲7七角△5二金右▲2八玉△7四歩(A図)


▲5八金左△4二銀▲6七銀△5三銀左▲5六歩△6四銀▲7八飛△7五歩▲9八香△7六歩▲同銀△8六歩▲同歩△7二飛▲6五歩△7七角成▲同飛(B図)



 A図からの五手目▲5六歩は作戦の分かれ目で、▲4六歩も一局。後手の6四銀戦法(急戦)に対し、七手目▲7八飛と転回、以下十五手目で、先手は少考の後、盤上この一手とばかりに▲6五歩と指した。
 以下、7筋の激しい攻防は必至となり、中盤に突入していった

*1:00年8月〜05年4月は皆生に道場があった。