西部地区最強者決定戦

若い日のK氏

 平井氏引退後、名人は山内、平野と代わり、戦国時代の様相を呈してきた。
 01年、K氏(写真は若い頃)は3度目の挑戦権を獲得、年少の平野名人と対戦する。
 K氏が級友の三木徹氏と将棋を始め、西部名人を夢見たのが、81年(昭和56年)の15歳の時。今日から、3番勝負の最終局を三木徹氏の観戦記(日本海新聞観戦記)で紹介したい。

 
平成13年11月18日
第24期西部名人戦三番勝負 第3局    新日本海新聞社西部本社
▲名人 平野琢也(米子市、33歳)
△四段 池本健 (米子市、35歳)


▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△4二銀▲5六歩△5四歩▲5七銀△5二飛▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲7七角△8二玉▲8八玉△5三銀▲7八金△9二香▲9八香(A図)



△9一玉▲9九玉△8二銀▲8八銀△7一金▲5九金△5一金▲6九金△6一金左▲7九金寄(B図)通算指手33手



 前期(23期)、大本命の予想通り頂点まで駆け上がった平野琢也さん。平野さんは神奈川県の出身で、山形大学では学生将棋の雄として鳴らした。深い読みと腰の重さは西部名人の名にふさわしい実力者である。また、二リットル入りのお茶をベットボトルごとラッパ飲みする対局姿とひげ面が大変個性的で、人なつっこい性格とともに仲間からとても人気がある。
 一方、今回が三回目の挑戦となる池本健さんは、大学時代19歳で全国アマ名人戦山口県代表、25歳のときにはこの県アマ名人戦挑戦者決定大会初出場で優勝し挑戦者になるなど輝かしい棋歴の持ち主だが、西部地区では「無冠の帝王」のイメージが強い。子どものころからの夢だった西部名人位を獲得することによって、名実ともに西部地区のトップの座に着きたいところだ。平野さんが先勝のあと、池本さんが返して一勝一敗となった。  
両者がっちりと穴熊に組み、長い戦いになりそうだ。  (三木徹)