昨日の大会。会場は米子駅前の米子市文化ホール。
 この日のため、来県された佐伯昌優九段、斎田晴子倉敷藤花。二階和室の山陰名人戦での挨拶が終わると、一階の記念将棋大会の会場へ。佐伯先生は挨拶の中で「知っている人は山根一郎さんだけ。私と同じ70歳です。」と、故郷赤碕を離れて五十数年、アマチュア時代の10代の頃を懐かしんでおられた。
 その山根一郎さん、両県代表16名中、最年長。決勝まで勝ち進み、藤井真司氏(松江市)と対戦。山根さんの勝ち将棋で時間も10分近く残し、藤井氏は数分。藤井氏の勝負手連発に山根さんの時間はなくなるが、藤井氏の時計は進まない。終盤の藤井マジックは、デジタルの時計の秒が進まない。誰にも分からない技である。結果は藤井氏20秒、山根さん時間切れで、西部支部からの名人誕生はならなかった。
 「昨日のぐっすり寝ました、8時間半。今日の試合はがんばります。」昼食時に決意を話して下さった山根さん。この日の大活躍は、西部支部道場での中学生との普段の稽古将棋と、そして佐伯先生の来県が強い後押しになったのではないか。
 山陰棋界に元気をもたらしてくれた山根一郎氏(70歳)の準優勝であった。